一級建築士設計製図試験の、「合格率は?」、「必要な勉強時間は?」、「どんな図面で合格できるの?」
これから試験に挑戦する方のそんな疑問を解決します。
この記事を読めば、設計製図試験合格までの道のりのイメージをつかんで頂けます。
合格図面も載せておりますのでぜひ最後まで読んでみてください。
筆者の簡単なプロフィール
・建築系の短大卒
・鉄骨を扱う会社で実務10年
・30代前半の2児のパパ
・2021年の一級建築士試験ストレート合格
1.一級建築士設計製図試験の概要
建築士試験の学科試験合格者のみが受験できる試験です。
学科試験合格後に行われる5回の設計製図試験のうち、3回受験可能となります。
与えられた課題を反映してプランニングし、図面作成と計画の要点の記述が主な内容です。試験時間は6時間半。
この試験を突破することで、一級建築士の資格を得ることができます。
2.一級建築士製図試験の合格率は?
製図試験の合格率は直近5年間で毎年35%~40%前後です。
学科試験の合格者のみが対象の試験で、初受験から3回目受験の方も含めての合格率なので決して楽な試験ではありません。
直近5年間の詳細の合格率は下記になります。
平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | ||||||
学科 | 製図 | 学科 | 製図 | 学科 | 製図 | 学科 | 製図 | 学科 | 製図 | |
実受験者数(人) | 26,923 | 8,931 | 25,878 | 9,251 | 25,132 | 10,151 | 30,409 | 11,035 | 31,696 | 10,499 |
合格者数(人) | 4,946 | 3,365 | 4,742 | 3,827 | 5,729 | 3,571 | 6,295 | 3,796 | 4,832 | 3,765 |
合格率(%) | 18.4 | 37.7 | 18.3 | 41.4 | 22.8 | 35.2 | 20.7 | 34.4 | 15.2 | 35.9 |
総合合格率(%) | 10.8 | 12.5 | 12.0 | 10.6 | 9.9 |
この試験は図面に反映すべき要求が多く、法令への重大な不適合は即不合格となってしまいます。
そのため、2回目、3回目の受験生であっても1つのミス(法令違反)によって不合格となってしまう方も多くいます。
合格率が直近5年間で35%~40%前後とはいえ、気の抜けない試験です。
相対評価の試験のため、いかに他の受験生より正確に試験課題をこなすかがポイントとなります。
3.合格に必要な勉強時間の目安
私はS校に通っておりましたが、自主学習が約340時間程度。
講義時間が全部で170時間程度でしたので、トータル510時間ほどでした。
平日は3~4時間、講義のない休日は10~12時間の勉強時間を確保していました。
それでも6時間半で一式仕上げられるようになったのは、本試験の2週間前。
試験当日も作図が終わったのは試験終了の10分前でした。
私の周りでも初受験の方は自主学習が300~350時間の方が多かったですが、人によっては200~250時間と言われることもあります。
個人差がありますので、目安として参考にしてください。
4.筆者合格時の図面(2021年製図試験)
私の2021年製図試験、合格時の復元図を公開します。
そのときの課題はシンプルに『集合住宅』でした。
復元図ですので実際に試験で提出した図面と全く一緒ではない部分あるかもしれませんが…
合格へのイメージとして参考にしていただければ幸いです。
エスキス2時間50分、記述に1時間、作図に2時間30分、チェック10分でした。
10分のチェックで一発不合格級のミスを発見し、何とか修正して提出することができました。
チェック時間をいかに多くとれるかはほんとに重要です。
私は勉強を始めたころ作図だけで6時間かかり、吸収も遅かったので、まさか合格するような図面を描けるようになれるとは思ってもいませんでした。
いかがだったでしょうか。
試験合格までの大体のイメージをつかんで頂けたかと思います。
今回は、一級建築士設計製図試験の合格率、必要な勉強時間などを紹介しました。
大変な道のりですが、初受験者でも自分の頑張り次第で十分に合格を目指せる試験です。
行き詰って何度も心が折れそうになることもあるかもしれません。自分もそうでした…
ですが、どんな時でも今やるべきことを明確にし、最後まであきらめずにやり抜く事が大切です。
この記事を読んでくださったみなさんを応援しております。
最後まで読んで頂きありがとうございました。